近年、我々は関節リウマチ(RA)患者におけるトシリズマブ治療の前後でCD4陽性T細胞内で発現が減弱する遺伝子としてBcl-3を同定した。本研究ではBcl-3のRA発症における役割を明らかにすることを目的とし、以下の実験結果を得た。Bcl-3を強制発現させたCD4陽性T細胞での遺伝子発現を網羅的に解析したところ、濾胞ヘルパーT細胞(TFH細胞)分化誘導におけるマスター転写因子であるBcl-6の発現が増強された。Bcl-3を強制発現させたCD4陽性T細胞はTFH細胞に分化した。以上よりBcl-3はTFH細胞分化に重要な働きをすることでRA発症に関与していることが示唆された。
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