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2015 年度 実施状況報告書

Soxファミリー分子による自己免疫疾患制御機構に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 26461461
研究機関千葉大学

研究代表者

須藤 明  千葉大学, 医学(系)研究科(研究院), 特任准教授 (50447306)

研究分担者 鈴木 浩太郎  千葉大学, 医学部附属病院, 講師 (90554634)
研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2017-03-31
キーワードSoxC / Treg
研究実績の概要

SoxCファミリー分子はHMGドメインとC末端に転写活性化部位を持ち、Sox4, Sox11, Sox12が属する。Sox4はTGF-βにより誘導され、Th2細胞のmaster regulatorであるGATA-3の機能を抑制することが報告されているが、自己免疫疾患におけるSoxC分子の役割に関する報告は無い。本研究者は、予備実験において1) 制御性T細胞(Treg)細胞にはSox12とSox4が発現していること、2) T細胞にSox12を強制発現させるとIL-21の産生が抑制され、Foxp3の発現が誘導されることを見出した。
そこでTreg細胞が発症抑制に重要な役割を果たしている実験的炎症性腸疾患モデルを用いて、その炎症性腸疾患発症におけるSox12の役割について検討した。まずCD25陽性細胞を除去した野生型マウス脾臓CD4陽性T細胞(CD25陰性CD4陽性T細胞)をRag-2欠損マウスに移入し腸炎を誘導する実験系に、レトロウィルスでSox12を発現させたCD4陽性T細胞を移入し、その腸炎抑制作用を検討した。その結果、Sox12発現レトロウィルスを感染させたCD4陽性T細胞は、コントロールレトロウィルスを感染させたCD4陽性T細胞に比較して有意に腸炎の発症を抑制することが明らかとなった。さらにSox12欠損マウスおよび野生型マウスよりCD25陰性CD4陽性T細胞を精製しRag-2欠損マウスに移入したところ、Sox12欠損CD25陰性CD4陽性T細胞は野生型CD25陰性CD4陽性T細胞と比較して有意に腸炎を増悪させることが明らかとなった。これらの結果、Sox12がFoxp3の発現を誘導しTreg細胞分化に関与している可能性が示唆された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

現在本研究申請時の研究計画1を終了し、研究計画2を行っているところであり、概ね当初の計画通り順調に進行していると考えられる。

今後の研究の推進方策

本研究者はTGF-βがIL-21の産生を強く抑制することを既に報告しているが(J Exp Med 2008)、その分子メカニズムは依然不明である。予備実験において本研究者は、1) TGF-βによりSox12の発現が誘導されること、2)誘導性IL-21産生T細胞にSox12を発現させるとIL-21の産生が強く抑制されることを見出している。そこで今後の研究では、IL-21産生制御におけるSox12の役割も解析していく。
また並行して、Treg細胞の分化におけるSox12の役割についての分子メカニズムについて明らかにしていく予定である。

次年度使用額が生じた理由

平成28年1月、Rag欠損マウスの出産数が通常よりも少ない上、食殺による産仔喪失が重なり再度交配が必要となった。その結果、 研究計画2の実験的炎症性腸疾患の実験が6ヶ月遅延することとなった。

次年度使用額の使用計画

Rag欠損マウスの交配数を増加し、今後予定通り実験を行う予定である。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2016 2015 その他

すべて 雑誌論文 (5件) (うち査読あり 3件、 オープンアクセス 1件、 謝辞記載あり 3件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] SOCS3 Expressed in M2 Macrophages Attenuates Contact Hypersensitivity by Suppressing MMP-12 Production.2016

    • 著者名/発表者名
      Meguro K, Nakagomi D, Suzuki K, Hosokawa J, Fukuta T, Yokota M, Maezawa Y, Suto A, Nakajima H.
    • 雑誌名

      J Invest Dermatol.

      巻: 136 ページ: 649-57

    • DOI

      10.1016/j.jid.2015.12.010.

    • 査読あり / オープンアクセス / 謝辞記載あり
  • [雑誌論文] Sox5 and Th17 cell differentiation.2015

    • 著者名/発表者名
      Suto A, Tanaka S, Nakajima H.
    • 雑誌名

      Oncotarget.

      巻: 6 ページ: 19952-3

    • DOI

      PMID: 26197269

  • [雑誌論文] Role of Bcl-3 in the development of follicular helper T cells and in the pathogenesis of rheumatoid arthritis.2015

    • 著者名/発表者名
      Meguro K, Suzuki K, Hosokawa J, Sanayama Y, Tanaka S, Furuta S, Ikeda K, Takatori H, Suto A, Sakamoto A, Ohara O, Nakajima H.
    • 雑誌名

      Arthritis Rheumatol.

      巻: 67 ページ: 2651-60

    • DOI

      10.1002/art.39266.

    • 査読あり / 謝辞記載あり
  • [雑誌論文] Helios Enhances Treg Cell Function in Cooperation With FoxP3.2015

    • 著者名/発表者名
      Takatori H, Kawashima H, Matsuki A, Meguro K, Tanaka S, Iwamoto T, Sanayama Y, Nishikawa N, Tamachi T, Ikeda K, Suto A, Suzuki K, Kagami S, Hirose K, Kubo M, Hori S, Nakajima H.
    • 雑誌名

      Arthritis Rheumatol.

      巻: 67 ページ: 1491-502

    • DOI

      10.1002/art.39091

    • 査読あり / 謝辞記載あり
  • [雑誌論文] Matrix metalloproteinase 12 is produced by M2 macrophages and plays important roles in the development of contact hypersensitivity.2015

    • 著者名/発表者名
      Nakagomi D, Suzuki K, Meguro K, Hosokawa J, Tamachi T, Takatori H, Suto A, Matsue H, Ohara O, Nakayama T, Shimada S, Nakajima H.
    • 雑誌名

      J Allergy Clin Immunol.

      巻: 135 ページ: 1397-400

    • DOI

      10.1016/j.jaci.2014.10.055

  • [備考] 千葉大学大学院医学研究院 アレルギー・臨床免疫学 研究業績

    • URL

      http://www.m.chiba-u.jp/class/allergy/research/index.html

URL: 

公開日: 2017-01-06  

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