研究課題/領域番号 |
26461467
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
一瀬 邦弘 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(医学系), 講師 (60437895)
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研究分担者 |
中村 英樹 長崎大学, 病院(医学系), 講師 (10437832)
岩本 直樹 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(医学系), 助教 (80437897)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | ループス腎炎 / ポドサイト / 全身性エリテマトーデス |
研究実績の概要 |
<背景>ループス腎炎のポドサイトは物理的バリアとしての機能は解明されつつあるが、免疫学的機序を介した機能変化とそれによる腎臓への影響についてこれまで詳細に検討されていない。本研究ではポドサイトをターゲットとしたループス腎炎の治療応用の確立のため、免疫学的機序を介したポドサイトの機能的役割を明らかにする。 <方法>SLEのモデルマウスであるMRL/lprを用いた機能解析を行った。蛋白尿が顕在化する8-12週齢雌のマウスの腎臓から、Akileshらの方法を用いて腎臓を取り出し、さらにコラゲナーゼ処理をした糸球体から細胞を分離する。ポドサイトのマーカーである、podocalyxinでラベリングしてcell sorterを用いて、各々のprimaryポドサイトを分離した(Proc Natl Acad Sci U S A. 2008 22;105(3):967-72)。またヒトのポドサイトのcell lineを用いて、ループス腎炎患者および健常人のIgGとともにインキュベートし、microarrayにて下流のシグナル変化の解明を行った。 <結果>MRL/lprマウスおよびB6マウスの腎臓から抗nephrin抗体を用いてprimaryポドサイトをcell sorterにて分離することが可能となった。今後、分離したポドサイトはmicroarrayなどの方法でシグナル伝達の解明を行う。ヒトのポドサイトでは「Hs_IL-6_signaling_pathway_WP364_44627」「Hs_Folate_Metabolism_WP176_35277」「Hs_Leptin_signaling_pathway_WP2034_44631」が有意に亢進していた。 <結論>ループス腎炎におけるポドサイトには免疫学的機構を介した機能変化を来すことが明らかとなり、治療ターゲットとなり得ることが示唆された。
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