本研究ではベーチェット病(B病)のHO-1発現低下、遺伝的なIL-10産生低下より、抗炎症性M2マクロファージの機能不全がB病炎症病態の本質であるとの仮説を立てた。末梢血単球からGM-CSFおよびM-CSFにより分化誘導したM1、M2細胞において、M2細胞はHO-1、IL-10に加え、B病疾患感受性遺伝子であるCCR1を発現し、MIP-1aに対して高い遊走能を示した。このことはB病のマクロファージ機能異常がM2細胞機能不全に集約されることを示している。また、M1細胞はM-CSF添加によりIL-10産生などのM2形質を獲得することから、その形質転換がB病治療戦略となる可能性が示唆された
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