皮膚や肺など内臓諸臓器の線維化を特徴とする強皮症は、いまだ有効な治療法の確立していない難治性病態として残されている。強皮症患者にみられる病変を再現したマウスモデルを用いて解析したところ、病変出現に先行して組織へのマクロファージの浸潤がみられた。それらのほとんどは、線維化促進効果が知られているM2サブセットで、その分化に転写因子Fra-1が関わっていた。強皮症患者の末梢血単球でもFra-1発現が上昇しており、単球におけるFra-1高発現によりM2マクロファージへの分化が促進され、それらが皮膚や肺にリクルートされ線維化が誘導される強皮症のメカニズムが明らかとなった。
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