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2014 年度 実施状況報告書

滑膜細胞調節因子シノビオリンによる関節リウマチ骨軟骨破壊機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 26461478
研究機関聖マリアンナ医科大学

研究代表者

八木下 尚子  聖マリアンナ医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (40367389)

研究分担者 荒谷 聡子  東京医科大学, 医学部, 助教 (40387064)
中島 利博  東京医科大学, 医学部, 教授 (90260752)
藤田 英俊  東京医科大学, 医学部, 講師 (90571802)
研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2017-03-31
キーワード遺伝子 / タンパク質 / 動物 / 関節リウマチ / 滑膜細胞 / 小胞体関連分解 / 骨代謝
研究実績の概要

関節リウマチ(RA)はQOLを脅かす疾患で、超高齢化社会を迎えた我が国では今後さらに罹患者が増大すると考えられている。現在、骨破壊と線維化の進んだエンドステージの患者に対して有効な治療法はないため、医療・社会・経済の面からRAの病態形成の全貌を明らかにすることが求められている。
我々がRA滑膜細胞から発見したシノビオリンは、RAの免疫応答異常、滑膜細胞の過増殖、線維化といった様々な病態形成に関与するが、骨・軟骨破壊との関与については明らかではなかった。そこで本研究では、軟骨細胞・骨芽細胞特異的シノビオリン遺伝子欠損マウスを作製し、シノビオリンの骨・軟骨における機能を明らかとすることでRAの根源的理解とその克服を目指すこととした。
まず軟骨細胞・骨芽細胞特異的シノビオリンKOマウスを、II型コラーゲン、Sp7プロモーター制御下でCreを発現するマウスを、それぞれシノビオリンfloxedマウスと掛け合わせ作製した。さらにPGC-1βの影響がない場合の骨・軟骨組織の異常を検討するため、タモキシフェン誘導型全身性もしくは脂肪組織特異的シノビオリン/PGC-1βダブルKOマウスの作製を進めた。その結果、軟骨細胞・骨芽細胞特異的シノビオリン遺伝子欠損マウスはいずれも体格が小さく、しかもメンデルの法則に則って出生しないことが明らかとなった。このことからシノビオリンは個体発生もしくは骨格形成に何らかの機能を有する可能性が考えられた。今後は、詳細な表現型解析等を進めることで、シノビオリンの新たな機能が明確になることが期待される。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

計画したシノビオリン遺伝子欠損マウスの作製が進行している。一部メンデルの法則に則って出生しないことや、体格が小さいために早期に死亡してしまうことがあることがわかったため、予定よりも交配数を多くして対応している。

今後の研究の推進方策

前年度に引き続き、各KOマウスを作成し表現型の解析を行うとともに、シノビオリンが軟骨細胞・骨芽細胞において特異的な基質をユビキチン化し、代謝している可能性を検証するため、基質が蓄積していることが考えられる軟骨細胞・骨芽細胞特異的KOマウス由来軟骨組織、骨組織をそれぞれ用いて酵母two-hybrid法、プロテオーム、トランスクリプトームなどの手法により軟骨細胞・骨芽細胞特異的なシノビオリン基質の探索を行う。また軟骨細胞・骨芽細胞でのシノビオリンの欠損がRAとどのように関与するかを検討するため、RAにおける骨・軟骨破壊の主役となる破骨細胞の形成や活性化に及ぼす影響を軟骨細胞・骨芽細胞特異的KOマウス由来骨芽細胞と破骨細胞前駆細胞を用いたco-culture法により検討する。
前述のとおり、一部メンデルの法則に則って出生しないことや、体格が小さいために早期に死亡してしまうことがあることがわかったため、予定よりも交配数を多くする。

次年度使用額が生じた理由

少額の端数分を繰り越したため。

次年度使用額の使用計画

次年度交付額と合わせて消耗品の購入に充てる。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2015 2014 その他

すべて 雑誌論文 (3件) (うち国際共著 1件、 査読あり 3件、 オープンアクセス 2件、 謝辞記載あり 2件) 学会発表 (1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] The E3 ligase synoviolin controls body weight and mitochondrial biogenesis through negative regulation of PGC-1β.2015

    • 著者名/発表者名
      Fujita H, Yagishita N, Aratani S, Saito-Fujita T, Morota S, Yamano Y, Hansson MJ, Inazu M, Kokuba H, Sudo K, Sato E, Kawahara KI, Nakajima F, Hasegawa D, Higuchi I, Sato T, Araya N, Usui C, Nishioka K, Nakatani Y, Maruyama I, Usui M, Hara N, Uchino H, Elmer E, Nishioka K, Nakajima T.
    • 雑誌名

      EMBO J

      巻: 34(8) ページ: 1042-1055

    • DOI

      10.15252/embj.201489897

    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著 / 謝辞記載あり
  • [雑誌論文] Synoviolin inhibitor LS-102 reduces endoplasmic reticulum stress-induced collagen secretion in an in vitro model of stress-related interstitial pneumonia.2015

    • 著者名/発表者名
      Nakajima F, Aratani S, Fujita H, Yagishita N, Ichinose S, Makita K, Setoguchi Y, Nakajima T.
    • 雑誌名

      Int J Mol Med

      巻: 35(1) ページ: 110-116

    • DOI

      10.3892/ijmm.2014.1984.

    • 査読あり / 謝辞記載あり
  • [雑誌論文] Hrd1 suppresses Nrf2-mediated cellular protection during liver cirrhosis.2014

    • 著者名/発表者名
      Wu T, Zhao F, Gao B, Tan C, Yagishita N, Nakajima T, Wong PK, Chapman E, Fang D, Zhang DD.
    • 雑誌名

      Genes Dev

      巻: 28(7) ページ: 708-722

    • DOI

      10.1101/gad.238246.114.

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] The role of E3 ubiquitin ligase Synoviolin in bone destruction of rheumatoid arthritis.2014

    • 著者名/発表者名
      Yagishita N, Aratani S, Fujita H, Yamano Y, Nishioka K, Nakajima T.
    • 学会等名
      第58回日本リウマチ学会総会・学術集会
    • 発表場所
      東京都(港区)〔グランドプリンスホテル新高輪〕
    • 年月日
      2014-04-24 – 2014-04-26
  • [備考] 聖マリアンナ医科大学難病治療研究センター 病因・病態解析部門

    • URL

      http://nanchiken.jp/byouin/achievement/

URL: 

公開日: 2016-05-27  

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