研究課題/領域番号 |
26461487
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
川野 充弘 金沢大学, 大学病院, 講師 (20361983)
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研究分担者 |
山田 和徳 金沢大学, 医薬保健学総合研究科, 特任准教授 (90397224)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | IgG4関連疾患 / モデルマウス / APRIL |
研究実績の概要 |
IgG4関連疾患の病態および治療法に関しては、いまだ不明な点が多い。我々は、Th2優位の免疫反応を自然発症しIgG4関連疾患のモデルマウスであるLAT Y136F変異マウスを用いて、①各臓器における病態の評価および病変進展因子の解明、②リツキシマブを含めたステロイド代替薬の効果および作用機序の解明、③IgG4抗体自体の意義について検討することで、IgG4関連疾患の病態の解明と治療法の確立を本研究の目的としている。 本年度は、26年度に引き続き、a proliferation-inducing ligand (APRIL)の局所での発現パターンについて免疫染色を用いて検討を進めた。さらに、本年は腎臓および肺組織において、F4/80染色を追加で行ったところ、炎症部位に一致してF4/80陽性のマクロファージの浸潤を認めた。この結果は、ヒトのIgG4関連疾患と類似しており、APRILとマクロファージの関連を進めていく上で、基礎となるデータと考えられた。さらに、CD3,CD138等の免疫染色も追加した。 IgG4抗体の意義については、昨年度よりEndoSの投与による病変の変化について検討している。本年度は、EndoSおよびコントロール投与マウスの病変について組織学的検討を継続している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
F4/80染色を行い、APRILとマクロファージの関係について明らかにしたが、BAFFなどの関連分子についてはまだ、十分な検討を行ってない。また、リツキシマブを含めた薬物投与実験については準備段階であり、実際の開始は来年度となるため、やや遅れているとした。
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今後の研究の推進方策 |
本研究は、①各臓器における病態の評価および病変進展因子の解明、②リツキシマブを含めたステロイド代替薬の効果および作用機序の解明、③IgG4抗体自体の意義についての検討より成り立っている。①については、APRIL関連分子であるBAFFの影響について明らかにする予定である。②については、ステロイドの代替薬となりうる免疫抑制剤やCD20モノクローナル抗体の効果について検討する。③については、近年IgG4関連疾患患者のIgG4抗体が病原性をもつという報告がなされた。我々は、モデルマウスを用いてIgG4抗体の病原性について検討していく。その際、EndoSの投与による影響、ヒトのIgG4抗体の投与など多角的側面から検討を進めていく。
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次年度使用額が生じた理由 |
27年度に予定していた薬物投与実験を28年度に行うことにした。そのため、薬物投与実験に伴う治療効果判定のためのELISAキット、抗体の一部を28年度に購入することにしたため、差額が生じた
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次年度使用額の使用計画 |
薬物投与実験の際に血清のIgGを測定するためのELISAキットを購入する予定である。
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