本研究は、喘息とCOPDのオーバーラップ症候群の分子病態を解明することを目的とした。探索した炎症バイオマーカーの中で、末梢血好酸球数、呼気NO濃度、呼気凝縮液IP-10は喘息とオーバーラップ症候群で増加していた。呼気NO濃度がステロイド治療による気流制限およびCOPD assessment test(CAT)の改善を予測する有用なマーカーであることが確認された。中枢由来の呼気NOと末梢由来の呼気NOは同等の感度・特異度を有することが示された。また喘息を対象とした観察研究において、重度増悪の存在と呼気NO濃度の上昇が急速な気流制限の進行と関連することを見出した。
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