インフルエンザ流行株を全国より収集する体制を確立し、NGSを用いて迅速に全ゲノム遺伝子配列を決定する解析法を確立、2011から15年度の4シーズンにおけるインフルエンザA/H3N2型株 181株 (ワクチン接種者 82株、未接種者 99株)の HA遺伝子の解析を行った。我々は各年度で使用されたワクチン株とのアミノ酸 (AA) 配列を比較する方法を試みた。HA抗原決定領域における AA 変異数及び変異率は、ワクチン接種者からの分離株が未接種者よりも有意に高いことを見いだし、インフルエンザ流行株は、HA抗原決定領域において、ワクチン株のAA配列から異なる方向の変異が選択されることが初めて示された。
|