クリプトコックス症は免疫不全者のみならず、免疫正常者にも深在性真菌症を起こす真菌であるが、その発症メカニズムについては、菌の病原因子、宿主の防御因子ともに不明な点が多い。また、診断においては血清や髄液のクリプトコックス抗原が用いられるが、肺クリプトコックス症において小さい病変の場合は、血清抗原が陰性であることもしばしば経験する。今回、クリプトコックス髄膜炎の発症において、宿主因子として抗GM―CSF抗体が関与している可能性が示唆された。また、肺クリプトコックス症では、特に直径25mm以下の小さな病変において、気管支洗浄液中のクリプトコックス抗原の陽性率が血清抗原よりも高いことが示された。
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