研究課題/領域番号 |
26461527
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研究機関 | 香川大学 |
研究代表者 |
西田 智子 香川大学, 教育学部, 教授 (00243759)
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研究分担者 |
加藤 育子 香川大学, 医学部附属病院, 助教 (00613720)
日下 隆 香川大学, 医学部, 教授 (50274288)
小西 行彦 香川大学, 医学部, 助教 (60528157)
惠羅 修吉 香川大学, 教育学部, 教授 (70251866)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 早産児 / 学習障害 / 視覚的認知障害 / 極低出生体重児 |
研究実績の概要 |
眼球注視点検出装置(アイトラッカー)は、被験者がモニター上に出てくる画像をほんの十数秒注視するだけで、その刺激に対する高精度な注視点計測とそのデータ分析が可能であり、乳幼児に対しても有用な新たな視覚機能測定法として臨床応用されつつある。これまでVLBW 児は視覚認知に問題があることを心理検査や図形課題描画により検討してきたが、今回はこの装置を用いて、視線の動きを測定し、早産児と正期産児を比較することにより早産児の視覚認知の特徴を明らかにすることを目的とした。この研究はVLBW 児の認知特性に合った効果的な教育的介入に役立つと考えられる。 香川大学医学部附属病院で発達フォローをされている5~10歳に達したVLBW 児6名、コントロールとして正期産児3名を対象として行った。尚、測定に際しては保護者に書面で同意を得て行った。 方法は、眼球注視点検出装置(アイトラッカーTobii1750(Tobii Technologics, Sweden))を用いて、まず画面に重なった3図形を表示し、次の画面で前に見た図形がどれかを答えさせる課題を3課題行った。 VLBW 児の視線分析の結果、図形に対して注視時間、回数により3タイプに分けることができた。①注視時間が短く、注視回数が多いタイプ、②注視時間が短く、注視回数が少ないタイプ、③注視時間が長く、注視回数が少ないタイプである。VLBW 児6名は、①タイプ2名、②タイプ2名、③タイプ2名であった。正期産児は3名とも①のタイプであった。 今回の結果より、VLBW 児の中には、視線の動きに問題があり、学習において困難をもつ児がいることが推測された。今後症例数を増やすとともに文章課題などにおける検討が必要である。
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