研究課題/領域番号 |
26461528
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
嶋田 繭子 長崎大学, 原爆後障害医療研究所, 技能補佐員 (80623834)
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研究分担者 |
荻 朋男 長崎大学, 原爆後障害医療研究所, 准教授 (80508317)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | ヌクレオチド除去修復 |
研究実績の概要 |
本研究では、新規ヌクレオチド除去修復欠損性疾患の原因遺伝子を同定し、その分子機能を解明するため、以下の3つの課題に取り組んでいる。 1)既知のNER修復遺伝子cDNAを組み込んだレンチウイルスライブラリーを作製し、これを利用した相補性試験により、コケイン症候群(CS)あるいは紫外線高感受性症候群(UVSS)症例のスクリーニングをおこなう。 2)既知の原因遺伝子(CSA/CSB/UVSSA)に変異を持たない、CSあるいはUVSS患者のゲノムDNAサンプルを用いて、全エキソーム解析を行い、新規CS/UVSS責任遺伝子の同定を試みる。
3)次世代ゲノム解析により、CSあるいはUVSS症例の責任因子候補とされた遺伝子について、siRNAおよびウイルス相補性試験等により真偽を検証の後、当該蛋白質の損傷部位への局在化、他のNER因子との相互作用など、細胞内機能調査、生化学的機能解析を実施する。初年度は、1)のウイルス相補性試験によるスクリーニングと、2)の次世代ゲノム解析に取り組んだ。また、次世代ゲノム解析の応用で、DNA修復関連因子約2000個に関して、エキソームシークエンシングを行うゲノムスクリーニング診断システムの構築にも取り組んだ。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
3つの課題のうち、2つについて、順調に進んでおり、比較的早い段階で課題3にも進めるものと考えられる。また、今年度は多くの症例を収集可能であったことから、来年度以降も順調に解析が進むものと思われる。
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今後の研究の推進方策 |
初年度において、ウイルス相補性試験によるスクリーニングで、責任遺伝子未知と判定されたものについて、順次次世代ゲノム解析を行う。また、新たに集まった検体に関しては、ウイルス相補性試験だけでなく、初年度に立ち上げたDNA修復関連因子群を対象としたゲノムスクリーニングも実施し、新規疾患責任遺伝子同定を試みる。
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次年度使用額が生じた理由 |
次世代ゲノム解析は、研究室内の設備を使用することで研究費の節約を計画していたが、様々な条件検討を詳細に行った結果、予定していたよりもさらに安価に実施可能であったことと、予想外に多くの症例が収集されたため、これらの症例整理に時間を要したため、初年度に予定していた研究費を次年度へ繰り越し、新たに集まった症例の解析費用とする事とした。
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次年度使用額の使用計画 |
初年度に収集した症例について、細胞のDNA修復活性を指標としたスクリーニングとDNA修復遺伝子に特化したゲノムスクリーニングを実施し、新規疾患責任遺伝子が原因である症例を抽出するための消耗品・試薬類に使用する予定である。また、候補症例について次世代ゲノム解析を行うための次世代ゲノム解析試薬類購入に使用する予定である。
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