研究課題
本研究では、ヌクレオチド除去修復 (NER)欠損性疾患が疑われる症例の解析から、新規の原因遺伝子変異を同定し、その分子機能を解明することを目指した。既知のNER関連遺伝子cDNAを組み込んだレンチウイルスライブラリーを作成し、これを利用した相補性試験により、コケイン症候群 (CS)あるいは紫外線高感受性症候群 (UVSS)のスクリーニングを実施した。スクリーニングにより、既知のNER関連遺伝子の異常が疾患原因ではなく、新規の遺伝子の機能異常が疾患原因と疑われる症例の抽出を行った。抽出された症例について、全エキソーム解析を行ったところ、それぞれの症例で、新規疾患責任遺伝子変異の候補を複数得た。CS疑い症例群、およびUVSS疑い症例群それぞれのグループで候補遺伝子にオーバーラップはなかった。本年は、これらの候補遺伝子群の真偽検証を行った。候補遺伝子の野生型cDNAを組み込んだレンチウイルスのライブラリーを別途作成し、相補性試験にて候補遺伝子の絞り込みを実施したほか、蛋白質発現解析、定量PCRなどいくつかの解析を重ねた。その結果、2症例で疾患原因変異を持つ遺伝子を同定するに至った。うち1症例は、既存の疾患であったが、DNA損傷時の細胞応答が特異であったため新規疾患が疑われたもので、その特異な細胞応答の原因解明に取り組んだ。別の1症例は、疾患原因変異を持つと考えられた遺伝子は、これまでにDNA修復機構あるいはDNA損傷応答機構への関与の報告がなく、新規機能を有する可能性があり、今後その分子機能の詳細を検討する必要がある。
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すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (3件) (うち国際共著 1件、 査読あり 3件、 オープンアクセス 3件) 学会発表 (22件) (うち国際学会 4件、 招待講演 18件) 備考 (1件)
Journal of Dermatology
巻: 印刷中 ページ: 印刷中
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