放射光X線を用いて組織切片上の微量元素の蛍光X線シグナルを正確に検出解析できるように、試料作成・光学素子・検出装置・解析条件・運転モードによる標準化法を樹立した。ウィルソン病、メンケス病、ヘモクロマトーシスなどの疾患組織切片で明瞭な銅、鉄、亜鉛などの同時描画を行う事が可能となった。微量元素異常疾患を組織学的に精密診断するとともに、治療効果判定、組織細胞内局在と病理所見の比較検討を行うことが可能となった。非遺伝性のありふれた疾患の背景に元素異常の存在する場合、その解析が可能となった。元素病理学と言うべき新しい分野のドアが開かれた。
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