研究課題
1)肥満小児における血中血中マイオカインレベル(IL-6、Irisin)の検討血中IL-6は、高度肥満(2.2±2.3 pg/ml)、軽中等度肥満(1.5±1.8 pg/ml)で差はなかった。血中Irisinは、高度肥満(443.3±263.9 ng/ml)、軽中等度肥満(619.5 ±533.4 ng/ml)であり、高度肥満で低下する傾向が認められたが有意差はなかった。メタボリックシンドローム(MS)群と非MS群に分けて比較検討すると、血中IL-6は、MS群(1.7 ± 2.5 pg/ml)、非MS群(1.9 ± 1.8 pg/ml)でありMS群で低下する傾向が認められたが有意差はなかった。血中Irisinは、MS群(592.4 ± 330.2 ng/ml)、非MS群(514.7 ± 488.6 ng/ml)であり、MS群で低下する傾向が認められたが有意差はなかった。2)血中マイオカイン値と肥満関連因子との関連性IL-6はAST、ALTと正の相関、アポリポ蛋白A1とと負の相関を認めた。今回の肥満小児を用いた検討では、肥満の重症度での有意な差は認められなかった。また、内蔵脂肪蓄積を基盤とするMSの発症の有無に関しても、マイオカインレベルには有意な差は認められかった。運動がマイオカインの産生に影響を与えることが報告されているが、まだ十分に検討されていない点が多い。小児においても肥満の原因となる生活習慣の変化の中で、運動量の減少が湯要であると指摘されている。運動の種類、強度、時間など運動条件により、運動が身体に及ぼす影響が異なることから、運動によって機能を発現するサイトカインの種類も異なる可能性が考えられる。今後の課題として、運動の種類、強度、時間など運動条件により変動する血中のマイオカインレベルを検討する必要がある。小児肥満の改善、合併症の予防のためにどのような強度、種類の運動が効果的であるか、効果的な運動療法の指標としてのマイオカインレベルの有用性についての検討を継続する必要がある。
すべて 2017 2016
すべて 雑誌論文 (7件) (うち査読あり 7件、 謝辞記載あり 7件、 オープンアクセス 5件) 学会発表 (18件) (うち国際学会 6件)
J Pediatr Endocrinol Metab
巻: 30 ページ: 63-69
10.1515/jpem-2016-0262
日本小児科学会雑誌
巻: 120 ページ: 1482-1487
日本周産期・新生児医学会雑誌
巻: 52 ページ: 886-891
Neurosci Lett
巻: 630 ページ: 194-198
10.1016/j.neulet.2016.08.001
Endocr J
巻: 63 ページ: 795-804
J Neuroendocrinol
巻: 89 ページ: 124-128
10.1111/jne.12400
Japan Environment and Children's Pilot Study.Pediatr Int
巻: 58 ページ: 1328-1332
10.1111/ped.13019