研究課題
本研究ではライソゾーム病の病態解明のためにTay-Sachs病、Fabry病、ポンぺ病、ニーマンピツクC病、異染性脳白質変性症のiPS細胞を樹立して神経細胞或いはクローン化した神経細胞に於いて病態、治療に関しての研究を行つた。1)Tay-Sacks病iPS細胞での病態代謝の解明―iPS細胞から神経細胞を分化し、ガングリオシドGM2の合成系とGM3合成系を検討し、GM3の合成系の低下GM2の合成の亢進系の病態を解明した。又同時にデオキシノジリマイシンの合成系影響を検討した。2)ファブリ病、NPCでの病態を解析:神経細胞にクローン化した細胞での蓄積しているライソゾームの生化学的検討、オートファジーのメカニズム、治療に関して検討した。ニーマン・ピック病の患者由来繊維芽細胞株を通常培地からアミノ酸、及び血清除去した培地に8時間処理すると、ライソゾームが増大し、オートファゴソームが増加(LC3II)し、オートファジー基質であるp62が蓄積した。そこで、オートファジー不全を検証するため、LC3 turnover assayにより、オートファジーflux が停止していた。これらの結果により、ニーマン・ピック病の患者由来繊維芽細胞株ではオートファジーが不全であると示唆された。又ロイシン添加により、増大したライソゾーム、蓄積したp62が減少したため、ロイシンがニーマン・ピック病の治療に寄与する可能性を見出した。さらに、正常繊維芽細胞株に比較し、ニーマン・ピック病の患者由来繊維芽細胞株ではSpin1の発現量が低下を示した。Spin1の発現がニーマン・ピック病治療と関連することが示唆された。3)MLD iPS細胞の確立を行い今後神経細胞、グリア細胞への分化を行いオートファージを含めライソゾームーオートファージ系の異常を解明する。
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