小児の言語機能はどのように形成され、発達に伴って変化していくのかに関して、脳磁図を用いて6年間に渡って、変化を検討してきた。これまで、サルの研究では当初右側大脳半球が言語機能を司り、3歳頃に左側に移っていくのではないかとされていたが、私達の研究では、当初、両方の大脳半球が同時に活動した後に、数年で言語優位半球が決定されていくのではないか、ということが初めてわかった。 特に急性脳炎など、中途障害を来した子どもたちの、リハビリテーションの為の指標を、脳磁図を用いて指し示す事が出来る可能性があることが示された。これらの研究を継続することにより、脳の発達過程が解明されることを今後の目標としたい。
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