研究課題/領域番号 |
26461545
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研究機関 | 兵庫医科大学 |
研究代表者 |
竹島 泰弘 兵庫医科大学, 医学部, 教授 (40281141)
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研究分担者 |
李 知子 兵庫医科大学, 医学部, 助教 (10596042)
下村 英毅 兵庫医科大学, 医学部, 助教 (30441273)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | Duchenne型筋ジストロフィー / ジストロフィン / エクソンスキッピング誘導治療 / ナンセンス変異リードスルー誘導治療 / プロスタグランジン |
研究実績の概要 |
Duchenne型筋ジストロフィー(以下DMD)における病態の主体は筋組織の壊死・再生であるが、申請者らはプロスタグランジンを中心とする炎症が疾患の進行に大きく関わっていることを明らかにし、それを制御することが治療の標的として注目されている。一方、申請者らは、DMDに対する分子治療であるエクソンスキッピング誘導治療、ナンセンス変異リードスルー誘導治療の有効性を明らかにし、臨床への応用を進めている。しかし、これらの分子治療における炎症性物質の関与は明らかではない。本研究では、分子治療によるDMDの治癒過程における炎症性物質の動態を明らかにし、さらに、これらの因子を修飾することによる分子治療効果をさらに高める治療戦略を見いだすために、分子治療・プロスタグランジン制御による治療の検討を、in vitro、in vivo系で検討している。27年度はENA核酸によるアンチセンスオリゴヌクレオチドの有効性をin vivoにおいて検討を行なった。そして、エクソンスキッピング誘導ならびに、長期投与による有効性を示した。さらにプロスタグランジン制御による治療の検討を引き続き行い、in vivoにおける有効性を検討している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
前年度に引き続き、エクソンスキッピング誘導治療・プロスタグランジン抑制治療の検討を進め、in vivoにおける有効性を明らかにすることができた。しかし、エクソンスキッピング誘導治療過程における、炎症物質の動態に関して、検討を十分に進めることができていない。そのため、当初の予定よりやや遅れていると判断した。
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今後の研究の推進方策 |
DMDモデルマウスにおいて、アンチセンスオリゴヌクレオチドあるいはアルベカシンを投与しジストロフィン蛋白発現を誘導した際の、筋細胞・線維芽細胞・炎症細胞における、プロスタグランジン合成に関わる因子の動態、およびプロスタグランジンDの尿中代謝産物を解析。さらに、DMD症例に対しアンチセンスオリゴヌクレオチドあるいはアルベカシンを静脈内投与することによりジストロフィン蛋白の発現が誘導される際の筋組織における、プロスタグランジンD合成に関わる因子の動態を筋細胞、線維芽細胞および炎症細胞ごとに解析する。さらに、プロスタグランジンDの尿中代謝産物を解析することにより、プロスタグランジンDを中心とする炎症の動態を検討する。
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次年度使用額が生じた理由 |
エクソンスキッピング誘導治療・ナンセンス変異リードスルー誘導治療におけるプロスタグランジン関連因子の解析を予定より遅れたため、それらに使用予定であった消耗品費を次年度に繰り越した。
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次年度使用額の使用計画 |
分子治療に際のプロスタグランジン関連因子の解析に必要な消耗品の費用として使用する。
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