研究課題
2016年度は、愛知医科大学・順天堂大学・名古屋大学で拡散カトーシス画像の撮像法を用いデータを収集した。新生児の拡散カトーシス画像について、早産が中枢神経発達に与える影響を脳神経画像で評価するために、早産児に対して拡散カトーシス画像を撮像した。各大学のNICUで加療を行い退院前にルーチンの頭部MRI画像を撮像する際に、鎮静下で拡散カトーシス画像を施行した。昨年度の方法にならって3 Tesla MRI装置を用い、32軸の傾斜磁場、3つのb値(1000、1500、2000 s/mm2)。拡散カトーシス画像の取得にかかる時間は7分30秒であった。現在まで50例の症例で、fractional anisotropy(FA値)と mean kurtosis (MK値)を計測し、神経学的予後との関連を検討した。昨年度は用手的に関心領域を設定して解析を行ったが、カトーシス画像の解像度が一般的なMRI画像に比べて低いことや、対象である新生児の脳が成人に比べて小さいことから、用手的な関心領域の設定は困難であり、より客観的で再現性が高い評価方法の検討が必要であった。そこで、TBSS(Tract-based spatial statistics)による統計的解析を行った。解析にはFMRIB Software Library v5.0を使用した。各症例のFA画像を標準脳にあてはめて線形変換を行い、同様の変換をMK画像に行い比較用の画像を作成する。それらの画像をもって各々のvoxelにおける統計的解析を行った。その結果、内包後脚および半卵円中心白質のMK値が、予後不良例では予後良好例に比べて低下していることが示唆された。一方、基底核や大脳皮質などの灰白質にはMK値の差を認めなかった。
すべて 2016
すべて 雑誌論文 (9件) (うち査読あり 9件、 謝辞記載あり 7件) 学会発表 (8件) (うち国際学会 2件、 招待講演 7件)
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