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2017 年度 実績報告書

患者iPS細胞を用いたドラベ症候群の病態解明・細胞移植治療を目指した研究

研究課題

研究課題/領域番号 26461552
研究機関東京慈恵会医科大学

研究代表者

日暮 憲道  東京慈恵会医科大学, 医学部, 講師 (40568820)

研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2018-03-31
キーワードてんかん / 病態 / 細胞治療 / iPS細胞 / MRI / 遺伝子
研究実績の概要

本研究は患者iPS細胞、疾患モデルラットを利用し、ドラベ症候群の病態解明と細胞移植治療の実現化を目指すものである。平成29年度は主に①iPS細胞からγアミノ酪酸(GABA)作動性神経前駆細胞への分化方法検討(将来的に移植リソースとして用いる)、②胎仔ラット脳内側基底核原基(MGE)細胞の採取とin vitroでの増殖方法の検討(最初に細胞移植実験へ用いる)、③小動物高解像度磁気共鳴画像(MRI)を用いた疾患モデルラット脳興奮領域の探索、を行なった。①はiPS細胞から二重SMADシグナル抑制法、Sonic hedgehog(SHH)シグナル分子による腹側化誘導を併用し、分化神経細胞レベルで約80%の効率でGABA陽性細胞が確認できるようになった。高密度にGABA前駆細胞を得るため、GABA細胞レポーターレンチウイルスの利用を試みたが、感染効率や蛍光強度の問題から実用化は困難であった。②ではE12.5胎仔を用い、MGE細胞を採取後、in vitroで浮遊培養しNeurosphereとして増殖した。MGE特性維持のため培養液中のSHH濃度を検討したが、MGEマーカーであるNkx2.1の遺伝子発現に一定の傾向は認められず、分化神経細胞レベルでGABA陽性細胞は約80%確認された。③は発作発生領域を解剖学的に同定し、病態解析ならびに移植部位の決定、治療効果判定へと応用するため昨年度から開始した研究である。マンガンイオンが高活動の神経細胞に取り込まれ、T1短縮効果を示す原理を利用した。野生型とヘテロ(Scn1aノックアウト)とで比較したところ有意な差はなかったが、前発作閾値の熱負荷を行ったところ、ヘテロ脳の海馬や大脳皮質などでT1短縮効果が大きい傾向が認められた。ただし、撮像アーチファクト、マンガン取り込みや熱負荷の個体間のバラつきなど、今後課題の解決が必要である。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2018 2017

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (3件) (うち国際学会 1件、 招待講演 2件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] Generation of D1-1 TALEN isogenic control cell line from Dravet syndrome patient iPSCs using TALEN-mediated editing of the SCN1A gene.2018

    • 著者名/発表者名
      Tanaka Y, Sone T, Higurashi N, et al.
    • 雑誌名

      Stem Cell Res

      巻: 28 ページ: 100-104

    • DOI

      10.1016/j.scr.2018.01.036.

  • [学会発表] Overview of iPSC research on pediatric neurological diseases.2017

    • 著者名/発表者名
      Higurashi N
    • 学会等名
      14th Asian and Oceanian Congress of Child Neurology
    • 国際学会 / 招待講演
  • [学会発表] 前頭葉てんかんが疑われた2例における睡眠時Minor motor eventの臨床的意義2017

    • 著者名/発表者名
      日暮憲道、菊池健二郎
    • 学会等名
      第59回日本小児神経学会総会
  • [学会発表] 患者神経細胞を用いたDravet症候群の病態・治療研究2017

    • 著者名/発表者名
      日暮憲道
    • 学会等名
      第51回日本てんかん学会学術総会
    • 招待講演
  • [図書] 稀少てんかんの診療指標2017

    • 著者名/発表者名
      日暮憲道
    • 総ページ数
      276
    • 出版者
      診断と治療社

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公開日: 2018-12-17  

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