生物時計による骨代謝制御機構の検討を行った。腸管の生物時計に注目し解析を行ったところ、腸管において時計遺伝子であるBmal1を欠損するマウスではカルシウムの能動輸送が低下していた。その機序としては、VDRの時間依存性転写活性化が消失しているためと考えられた。この変異マウスでは、カルシウム能動輸送の低下により、PTHが上昇していた。その結果、骨吸収が亢進し、骨量が減少していた。この変化は、高カルシウム食下では認めなかった。これらの結果は、腸管における生物時計は、カルシウム吸収を制御することで、骨代謝恒常性を維持していると考えられた。
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