インフルエンザ菌b型(Hib)ワクチン普及後に問題となる小児重症インフルエンザ菌感染症の実態を明らかにする目的で、小児侵襲性インフルエンザ菌無莢膜株(NTHi)感染症28症例28株に関して臨床背景・分離菌の病原因子の解析を行った。本研究により、国内で発症した侵襲性NTHi感染症は、Hib感染症に比べ、予後良好な感染症ではなく分離されたNTHi株は多様性に富むことをはじめて明らかにした。Hibワクチン普及後、日本における重症インフルエンザ菌感染症はワクチンで予防できないNTHi株に変化しており、今後もその病原性解析を進めていく必要がある。
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