研究実績の概要 |
本研究は、ベトナム国立小児病院を受診中のHIV感染小児を対象とし、抗HIV治療(antiretroviral therapy, ART)が免疫活性化とT細胞サブセットのバランスに及ぼす影響を明らかにし、小児ARTの効果判定および予後に関連する適切な免疫系マーカーを探ることを目的とする。未治療HIV感染小児の免疫状態(免疫活性化やTh1/Th2/Th17/Tregに及ぼす影響)を、ART開始前後(ART開始前と開始後6,12,18,24ヶ月)に、前方視的に解析し、またすでにARTを開始しており、治療期間が24,36,48,60,72,84,96ヶ月になるHIV感染小児の免疫状態を横断的に解析することを計画した。 当初の研究計画では、ベトナムで検体採取、全血のサンプルの染色後、金沢で染色細胞を測定することとしていたが、ベトナム国立小児病院が2014年6月に細胞解析機器を導入したため、ベトナム国立小児病院で染色細胞の測定を実施することにした。測定したデータを金沢に送り、金沢で解析を行っている。 平成26年度は、8月に研究代表者と研究分担者がベトナムを訪問し、ベトナムの研究協力者に対し細胞染色のトレーニングを十分に行うなど、研究体制を整えた。9月から、対象のHIV感染小児からの検体採取、全血の染色・測定および解析を始めた。 現在、新規に抗HIV治療を開始した小児15名の治療開始前の免疫状態の解析、その中1名の6ヶ月後のフォローを行った。また治療中の小児8名の解析を行った。同時に血漿および白血球の分離、保存も実施した。なお、染色の結果は解析後、すぐにベトナムの研究協力者に還元している。
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