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2016 年度 実績報告書

小児の抗HIV治療による免疫状態の改善と至適マーカーの同定

研究課題

研究課題/領域番号 26461572
研究機関金沢大学

研究代表者

畢 袖晴  金沢大学, 医学系, 助教 (50565413)

研究分担者 市村 宏  金沢大学, 医学系, 教授 (10264756)
研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2017-03-31
キーワードHIV / 抗HIV療法 / 免疫活性化 / Th1/Th2/Th17/Treg
研究実績の概要

背景 ヒト免疫不全ウイルス(HIV)は主にCD4+T細胞に感染し、その数を減らし、また機能を障害することにより免疫不全を引き起こす。最近、HIV感染者では慢性的な免疫活性化が病態進行と予後に関与していることが明らかとなってきた。抗HIV療法(ART)はHIVの複製を抑制し、CD4+T細胞数を回復するが、成人では免疫活性化の改善が遅れることが分かっている。本研究ではベトナムのHIV感染小児を対象とし、ART開始後の細胞免疫活性化、Th1/Th2/Th17/制御性T細胞(Treg)のバランスを経時的に解析し、ARTが免疫状態に及ぼす影響およびARTの効果判定と予後に関連する適切な免疫系マーカーを探ることを目的とした。
方法:(1)横断的調査:ART中の小児29名(中央年齢6.1才、レンジ3.6-8.6才、男女17:12)と、対照群としてHIV非感染小児20名(中央年齢4.1才、レンジ2.0-8.3才、男女12:8)を解析した;(2)前向き調査:新規にARTを開始した小児をART開始前と開始後6ヶ月毎に解析した。検体は末梢血とした。
結果:横断的調査で、ART導入により、①Th1細胞数とCD8細胞活性化はART開始後1年以内に正常化したこと、②Th2/Th17/Tregは正常範囲回復に4.8-8.3年が必要であること、③単球の活性化は有意に変化しないこと、④CD4/CD8比はART効果をモニタリングするのに有用なマーカーであることを明らかにした。これらの研究結果を論文発表した。
新規にARTを開始した小児49名をリクルートし、前向き調査を行っている。10名の死亡例と1名の転院した例を除き、38名を6ヶ月毎にフォロー中である。現在平均17.4ヶ月観察した。横断調査の結果と同様に、ART導入後12ヶ月で、Th1細胞数とCD8細胞活性化は正常化した。今後、追跡調査を継続して、更なる解析を行う。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2016 その他

すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件、 オープンアクセス 1件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [国際共同研究] ハノイ国立小児病院(ベトナム)

    • 国名
      ベトナム
    • 外国機関名
      ハノイ国立小児病院
  • [雑誌論文] Impact of HIV Infection and Anti-Retroviral Therapy on the Immune Profile of and Microbial Translocation in HIV-Infected Children in Vietnam2016

    • 著者名/発表者名
      畢 袖晴(Xiuqiong Bi)
    • 雑誌名

      International Journal of Molecular Sciences

      巻: 17 ページ: 1245

    • DOI

      10.3390/ijms17081245

    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著 / 謝辞記載あり
  • [学会発表] HIV感染および抗レトロウイルス療法が小児免疫状態に及ぼす影響2016

    • 著者名/発表者名
      畢 袖晴
    • 学会等名
      日本エイズ学会
    • 発表場所
      鹿児島
    • 年月日
      2016-11-24 – 2016-11-26

URL: 

公開日: 2018-01-16  

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