研究課題/領域番号 |
26461584
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
西村 範行 神戸大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (00322719)
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研究分担者 |
早川 晶 神戸大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (40379376)
西尾 久英 神戸大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (80189258)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 神経芽腫 / がん幹細胞 / Rab / ALDH |
研究実績の概要 |
神経芽腫は、神経堤細胞が交感神経系へ分化する過程で発生する代表的な小児難治性固形がんで、小児がん死亡の約1/6を占めている。特に、半数以上が再発する高リスク群患者の長期生存率は未だ40%に達していない。その予後改善には、再発の起源と考えられる神経芽腫がん幹細胞の発生・分化機構の理解が不可欠である。がん幹細胞は、非がん幹細胞とは異なる安定した形質を持つcell typeと考えられていたが、がん幹細胞自体が多様性をもつことや、その存在比率が大きく変動しうることが明らかになり、非がん幹細胞とダイナミックに相互変換しうるcell stateと捉えられるようになってきた。ホルモンや神経伝達物質の分泌を司り、接着分子/軸索ガイダンス分子の移動や膜成分の再配置を制御する細胞内小胞輸送は、このようながん幹細胞のcell stateの制御に重要な役割を果たすと予想される。そこで申請者らは、細胞内小胞輸送の中心的な制御因子であるRabファミリー低分子量G蛋白質(Rab)に注目して、神経芽腫がん幹細胞の発生・分化機構の解明を試みている。本年度の研究では、神経芽腫がん幹細胞において発現が誘導され、スフェアー形成、コロニー形成、および免疫不全マウスに移植した際の腫瘍形成を制御するRabのメンバーとしてRab6Bを同定し、その作用機構を解析した。 また、肺がん、大腸がん、前立腺がんといった多くのがんにおけるがん幹細胞のマーカーとして同定されているアルデヒド脱水素酵素ALDHの神経芽腫における役割を検討し、19のヒトALDHアイソフォームの内、神経芽腫がん幹細胞において発現が誘導され、スフェアー形成、コロニー形成、および免疫不全マウスに移植した際の腫瘍形成を制御するアイソフォームとして、ALDH1A2を同定した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究は、Rabによる神経芽腫がん幹細胞の制御機構を解明し、Rabを標的とした神経芽腫の新しい治療法の開発に繋げることを目指している。これまでに、神経芽腫がん幹細胞の発生・分化を制御するRabとしてRab6Bを同定し、その作用機構の解析がおおむね期待通りに進行している。
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今後の研究の推進方策 |
Rab6B系による神経芽腫がん幹細胞の制御機構を明らかにする目的で、Rab6B系の活性制御機構、およびその上流/下流シグナルの同定を行なっていく予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
昨年度は、予定していた実験を一部開始できなかったため、一般試薬および培養試薬の使用量が当初の計画を若干下回ってしまった。
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次年度使用額の使用計画 |
今年度は、Rab6B系の活性制御機構、およびその上流/下流シグナルの同定に全力を注ぐ予定である。
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