研究課題/領域番号 |
26461590
|
研究機関 | 福島県立医科大学 |
研究代表者 |
陶山 和秀 福島県立医科大学, 医学部, 講師 (90423798)
|
研究分担者 |
川崎 幸彦 福島県立医科大学, 医学部, 准教授 (00305369)
橋本 浩一 福島県立医科大学, 医学部, 准教授 (50322342)
佐藤 晶論 福島県立医科大学, 医学部, 講師 (60423795)
細矢 光亮 福島県立医科大学, 医学部, 教授 (80192318)
|
研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
|
キーワード | HUSマウス / S100A8 / S100A9 / S100A12 / HMGB1 / 脳炎 / 脳症 |
研究実績の概要 |
目的:実際の難治性中枢神経感染症の発症、進展過程におけるDAMPsの役割を検討するために、急性脳炎・脳症の福島県での疫学的臨床的特徴と予後に関連する因子について検討した。 方法:福島県内の小児の入院が可能である25施設に本症に関するアンケート調査を行い1986年から2012年までの26年間にライ症候群および先天代謝異常を除いた急性脳炎・脳症で入院加療された260例の患児を集積した。本症患児260例をその発症時期より1986~1996年A群(n=74)と1997~2007年B群(n=132) 2008~2012年C群(n=54)に分け、さらに予後から神経学的後遺症のなかったⅠ群 、軽度から重度の後遺症を残したⅡ群 、死亡の転機をとったⅢ群 に分け疫学、病原、臨床症状、検査成績、治療と予後との関連性を比較検討した。 結果:罹患年齢は患児全体で平均4.1±3.5歳、3歳未満が141例(54.2%)を占めていた。病原が判明した症例は108例(41.5%)と低率であった。内訳としては、インフルエンザウイルスA 42例、B 5例、 HHV-6 12例、水痘 8例、マイコプラズマ 7例であった。A群では風疹、麻疹ウイルスや百日咳菌に起因した本症が多くみられたが、 B群ではインフルエンザ、 HHV-6、エンテロウイルスによる本症の増加が認められた。さらに近年、インフルエンザに起因した本症の発症減少がみられた。観察期間の推移において後遺症を有する頻度に差はなかったが死亡例の減少がみられた。 初発症状は各群とも発熱が一番多く、以下、痙攣、意識障害、嘔吐の順であった。予後不良群において意識障害が遷延する症例や呼吸不全を伴う症例が多くみられた。 DICを合併する症例や脳浮腫以外の頭部画像上異常所見を有した症例には、予後不良群が多く含まれていた。 考察:観察期間の推移において本症の起因病原因子に変化が認められた。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
現在の急性脳炎、脳症の疫学と予後不良因子についての検討が出来たが、HUS脳症マウスモデルでの検討ができなかった。
|
今後の研究の推進方策 |
HUS脳症マウスモデルにおいてDAMPsの発現の程度と役割を検討する。
|
次年度使用額が生じた理由 |
HUS脳症マウスのモデルでの検討が出来なかった。
|
次年度使用額の使用計画 |
HUS脳症マウスのモデルの作成とDAMPsの関連性について検討する。 C57BL/6マウス、LPS、志賀毒素と各種サイトカイン、ケモカイン測定キットの購入に充てる。
|