研究課題/領域番号 |
26461590
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研究機関 | 福島県立医科大学 |
研究代表者 |
陶山 和秀 福島県立医科大学, 医学部, 講師 (90423798)
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研究分担者 |
川崎 幸彦 福島県立医科大学, 医学部, 准教授 (00305369)
橋本 浩一 福島県立医科大学, 医学部, 准教授 (50322342)
佐藤 晶論 福島県立医科大学, 医学部, 講師 (60423795)
細矢 光亮 福島県立医科大学, 医学部, 教授 (80192318)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | HUSマウス / DAMPs |
研究実績の概要 |
難治性中枢神経感染症において脳障害が惹起されたあと炎症がどのように進展し悪化するのかその詳細な機序は不明である。脳障害から死滅した細胞から放出されたDAMPsが自然炎症を惹起し炎症進展の増悪機序の一つであると推測される。今回まず難治性中枢神経感染症の発症、進展過程におけるDAMPsの役割を検討するために溶血性尿毒症症候群(HUS)モデルマウスの作成を行なった。まずC57BL/6マウスを用いLPSと志賀毒素を腹腔内に投与することにより重症のHUSマウスを作成することが出来た。重症HUSマウスでは6時間後にDAMPsの代表的な分子であるHMGB1のピークを認めた。また48時間後にはHMGB1は正常化することを確認できた。以上のことからHUSの進展機序にHMGB1が深く関与していることが示唆された。しかしLPS及び志賀毒素を多量に腹腔内に投与しても脳症症状が出現する前にマウスは死亡した。そこで、C57BL/6マウスの脳に直接LPS及び志賀毒素を投与することによりHUS脳症モデルマウスの作製を行なった。脳炎脳症の進展機序、修復似ついて解明するためにヒト脳炎脳症の発症時の髄液検体を用い、脳症発症時の炎症発現蛋白の検索を行なった。α2マクログロブリンが急性散在性脳脊髄炎の髄液で早期に上昇していた。しかし熱性痙攣の髄液ではα2マクログロブリンの上昇は認めなかった。以上のことからα2マクログロブリンは脳症早期のバイオマーカーになる可能性があり、今後他のバイオマーカとの関連やDAMPsとの関連を検索する必要があると思われた。
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