中枢神経感染症の発症・進展機序におけるDAMPsの役割を検討するために、急性脳炎脳症の福島県の疫学的臨床特徴と予後に関連する因子について検討した。意識障害遷延が予後不良群で多く、中枢神経の障害が予後に影響を与えると考えられた。 次に重症HUSマウスの作製を行い、DAMPsの代表的なマーカーであるHMGB1を測定した。HMGB1は6時間後にピークを認め48時間後には低下しており、HUSの進展の早期よりHMGB1の関与が示唆された。またヒト脳炎脳症発症時の髄液検体を用い炎症性蛋白の検索を行なった。急性散在性脊髄炎の髄液でα2マクログロブリンの上昇を認め、脳症早期のバイオマーカーの可能性が示唆された。
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