研究課題
1.目的;染色体不安定性によって惹起される染色体の増幅や欠失(Segmental chromosome Aberration : SCA)がNBの悪性化に関わることが明らかとなった。網羅的ゲノム解析を用いた検討より、再発NBでは、初発時SCAに更なるSCAが加わり、悪性度を獲得しており、このSCA蓄積の原因を探索する。2.方法;1)スーパーハイリスク群の初発と転移再発腫瘍組織を用いて、ゲノム解析を行い、再発時にゲノム異常が変化しているかを調べた。2)NB における CDKNA2 と Rsf-1 の発現および関連性の解明 、3)Rsf-1 ノックダウンに伴う NB 細胞株での遺伝子発現プロファイルの検討。 NB における Rsf-1 の発現異常が SCAをもたらし、腫瘍増殖、分化抑制を生じているかについて検討した。3.研究成果;スーパーハイリスク群NB腫瘍の初発腫瘍組織と転移再発腫瘍組織より、ゲノム解析を行った。CDKN2Aの欠失を転移再発組織において認め、これは初発時には存在しないものであった。CDKN2A欠失の卵巣癌細胞においてRsf-1高発現が染色体異常をもたらすとの既知の報告もあり、NBにおけるCDKN2A欠失とRsf-1発現に関連を検証した。NB細胞株19種を用いRNAを抽出、リアルタイムPCR法にて解析したところ、CDKN2A発現とRsf-1の発現に明確な関連性は認めなかった。ただしNMYC増幅を有するNB細胞株においてはRsf-1の発現が高い傾向にあった。次にRsf-1高発現であるNB細胞株SH-SY5Yを使用し、レンチウイルスを用いRsf-1ノックダウンを行い、SCAの変化を検討した。コントロール群と比べ、Rsf-1ノックダウンした細胞株におけるSCAの変化は認めなかった。スーパーハイリスク群の選別するマーカーとしてRsf-1は不適格であろうと結論づける。
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