研究課題/領域番号 |
26461596
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研究機関 | 日本医科大学 |
研究代表者 |
三宅 弘一 日本医科大学, 医学部, 准教授 (90267211)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | リボゾーム蛋白質 / ダイヤモンド・ブラックファン貧血 / レンチウイルスベクター / siRNA |
研究実績の概要 |
ダイアモンド・ブラックファン貧血(DBA)の病因に関してはいまだ完全には解明されていないが、DBA患者の約25%においてRPS19の遺伝子異常が報告されている。また、近年RPS19以外のリボゾーム蛋白(RPL5, RPL11, RPS24, RPS17 等)の異常の報告もされてはいるが、その病態は依然として不明名事が多く、現在までに有効な治療法は開発されていない。今までのDBA研究の問題点として(1)患者数が少なく研究に必要なサンプルが手に入りにくい。(2) DBAの細胞自体がin vitroでも増殖が困難である。(3) DBAの病態解析、治療効果検討を行えるモデルが存在しない。などがあげられ、これらの理由からDBAの病体解析およびその治療法の研究をするのは困難であった。我々はリボゾーム蛋白に対するsiRNAを発現する薬剤(テトラサイクリン)誘導性レンチウイルスベクターを作製済みであり、また、KRAB遺伝子(Mol Ther. 11: 627-637, 2005)をすでに組み込んだマウス(KRABマウス)を既に作製済みである。本年度はKRABマウスより骨髄細胞を摂取し、各リボゾーム蛋白に対するsiRNAを発現するレンチウイルスベクターにて遺伝子導入後移植し、生着後テトラサイクリンにてsiRNAを発現し、DBAモデルマウスの作製を試みた。KRABマウスの骨髄細胞にsiRNAとGFPを発現するレンチウイルスベクターにて遺伝子導入し、テトラサイクリン投与にて薬剤誘導性を検討した所、数%と低値であり遺伝子導入効率、誘導効率の検討を行っている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
KRABマウスの骨髄細胞にsiRNAとGFPを発現するレンチウイルスベクターにて遺伝子導入し、テトラサイクリン投与にて薬剤誘導性を検討した所、数%と低値であり効率を上げる必要性があるため。
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今後の研究の推進方策 |
レンチウイルスベクターにて遺伝子導入後のテトラサイクリン薬剤誘導性の効率を上げるため、更なる遺伝子導入効率の上昇の改善、KRABマウスのKRAB発現の検討などを行い薬剤誘導性の効率を上げて行く。また、別のモデル動物作製法としてKRABマウスより卵子を摂取し、siRNAを発現するレンチウイルスベクターにて遺伝子導入後子宮に戻し、Tgマウスを作製する方法の検討も行っていく。
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次年度使用額が生じた理由 |
本年度予定していたマウスの骨髄移植実験が、レンチウイルスベクターにて遺伝子導入後のテトラサイクリン薬剤誘導性の効率が悪く移植実験まで出来なかったため。
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次年度使用額の使用計画 |
薬剤誘導性の効率を上昇させるための遺伝子導入効率の上昇の改善、KRABマウスのKRAB発現の検討を行い、移植実験を進めていく。 また、KRABマウスより卵子を摂取し、siRNAを発現するレンチウイルスベクターにて遺伝子導入後子宮に戻し、Tgマウスを作製する方法の検討も行っていく。
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