研究課題/領域番号 |
26461596
|
研究機関 | 日本医科大学 |
研究代表者 |
三宅 弘一 日本医科大学, 医学部, 准教授 (90267211)
|
研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2018-03-31
|
キーワード | リボゾーム蛋白質 / ダイヤモンド・ブラックファン貧血 / レンチウイルスベクター / siRNA |
研究実績の概要 |
ダイヤモンド・ブラックファン貧血(DBA)の病因に関してはいまだ完全には解明されておらずRPS19リボゾームタンパク質を始めとしてRPL5, RPL11, RPS24, RPS17 などの様々なリボゾームタンパク質の異常が報告されてはいるが、その病態は依然として不明な事が多く、現在までに有効な治療法は開発されていない。DBA研究の問題点として(1)DBAの患者数が少なく研究に必要なサンプルが手に入りにくい。(2) DBAの細胞自体がin vitroにて増殖が困難である。(3) DBAの病態解析、治療効果検討を行えるモデルが存在しない。などがあげられる。これらの理由からDBAの病体解析およびその治療法の研究をするのは困難であった。本研究ではDBAのモデルマウス作製を目的とし、現在までにリボゾーム蛋白に対するsiRNAを発現する薬剤(テトラサイクリン)誘導性レンチウイルスベクターを作製済するとともに、KRAB遺伝子をすでに組み込んだマウス(KRABマウス)を作製した。KRABマウスより骨髄細胞を摂取し、各リボゾーム蛋白に対するsiRNAを発現するレンチウイルスベクターにて遺伝子導入後移テトラサイクリン投与にて薬剤誘導性を検討した所、遺伝子導入効率が低値であったため、レンチウイルスベクターを濃縮し力価を上げ導入を行った。導入効率の上昇は見られたが、(1)テトラサイクリン投与以前より発現が認められる。(2)テトラサイクリンによる誘導率が低い。などの問題点が見られた。原因追及のためKRABマウスのKRAB遺伝子の発現を検討したところ発現は認められたが、より高発現のマウス選択し再度検討を行っていく予定でいる。また、このKURABマウスを用いたモデル動物作製が困難な場合にはCRISPR-Cas9システムを用いたトランスジェックモデルマウスも検討していく。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
KRABマウスの骨髄細胞にsiRNAとGFPを発現するレンチウイルスベクターにて遺伝子導入し、テトラサイクリン投与にて薬剤誘導性を検討した所、(1)テトラサイクリン投与以前より発現が認められる。(2)テトラサイクリンによる誘導率が低い。などの問題点が見られた。この問題点を解決すべくKRAB高発現のKRABマウスの選択を行っており、マウスの増殖も悪く好条件のマウスの確保が遅れているため。
|
今後の研究の推進方策 |
レンチウイルスベクターにて遺伝子導入後のテトラサイクリン薬剤誘導率を向上させるためにKRABマウスのKRAB発現の検討などを行っていく。また、このKURABマウスを用いたモデル動物作製が困難な場合にはCRISPR-Cas9システムを用いたトランスジェックモデルマウスも検討していく。
|
次年度使用額が生じた理由 |
KRABマウスの骨髄細胞にsiRNAとGFPを発現するレンチウイルスベクターにて遺伝子導入し、テトラサイクリン投与にて薬剤誘導性を検討した所、(1)テトラサイクリン投与以前より発現が認められる。(2)テトラサイクリンによる誘導率が低い。などの問題点が見られた。この問題点を解決すべくKRAB高発現のKRABマウスの選択を行っており、マウスの増殖も悪く好条件のマウスの確保が遅れ当該年度の実験施行が遅れたため。
|
次年度使用額の使用計画 |
KRAB高発現のKRABマウスの選択が出来次第実験の継続を行うとともに、KURABマウスを用いたモデル動物作製が困難な場合にはCRISPR-Cas9システムを用いたトランスジェックモデルマウスの作製を行っていく。
|