研究課題
本研究では川崎病とB細胞の細胞表面上に発現している免疫抑制受容体であるLeukocyte Immunoglobulin-Like Receptor, subfamily B (LILRB)が川崎病の病態形成に果たす役割を明らかにするために、免疫グロブリン大量療法の前後におけるLILRB1、LILRB2、LILRB3、LILRB4の発現パターンの変化をフローサイトメトリーで解析を行ってきた。対象は川崎病の診断で当科に新たに入院した川崎病患者のうち文書で同意の得られた25例および健常小児20例である。解析の結果、川崎病患者では正常コントロールに比しmemory B細胞の割合が増加し、naive B細胞の割合が少なくなっていた。さらに末梢血中で抗体を産生するplasmablastの割合は川崎病急性期に有意に上昇していたが、IVIG後は正常コントロールと同程度まで低下した。また、LILRB1が単球およびB細胞に、LILRB2・LILRB3が単球のみに、LILRB4が単球およびB細胞に発現していた。さらに、免疫グロブリン大量療法の前後におけるLILRBの発現を比較検討したところ、免疫グロブリン大量療法の前後で発現に差が認められたのはLILRB4だけであった。正常コントロールと比較して川崎病の急性期ではLILRB4の発現が亢進しており、LILRB4が川崎病の病態に関与している可能性が考えられた。
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