本研究では神経芽腫の予後の異なるサブグループのゲノムプロファイルを統合解析し、サブセット毎の発症や悪性化に関与する遺伝子の同定を目的とする。予後不良群30例の全エクソーム解析では、MAPK経路やaxon guidance遺伝子群の変異がエンリッチされていた。特にRAS-MAPK経路の変異は再発腫瘍でも高頻度に見られた。メチローム解析からは、予後の異なる3つのクラスターが同定され、遺伝子発現との比較から予後に強く相関する遺伝子群を抽出した。これらの臨床的意義について独立症例でさらに検証する必要があるが、抽出された候補遺伝子群は今後の難治性神経芽腫のリスク分類の精度向上に資すると期待される。
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