研究課題/領域番号 |
26461604
|
研究機関 | 独立行政法人国立病院機構(金沢医療センター臨床研究部) |
研究代表者 |
前馬 秀昭 独立行政法人国立病院機構(金沢医療センター臨床研究部), その他部局等, その他 (10419335)
|
研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
|
キーワード | 移植片対宿主病 / 制御性樹状細胞 |
研究実績の概要 |
制御性樹状細胞は免疫寛容誘導能を示す抗原提示細胞として自己免疫疾患やアレルギー性疾患に対し新規免疫細胞療法の重要な可能性を秘めている。我々はマウス骨髄細胞からpsoralenと紫外線(UVA)を用いて、制御性樹状細胞(PUVA-DC)を大量かつ安価に作製する技術を開発した。このPUVA-DCはin vitroにおいて、MHC非依存性にTリンパ球に対して抑制性の作用を示し、MHCミスマッチの骨髄移植の可能性を切り開いた。このPUVA-DCをHLA一致のドナーが得られない患者に対して、HLAの壁を乗り越える安全な造血幹細胞移植の可能にするため、基礎的データーの収集をはかる。 平成26年度の実験では、マウスGVHDモデルにて、制御性樹状細胞 (PUVA-DC ホスト、ドナータイプ、サードパーティ)の輸注を行い、GVHDが実際に抑制されるかどうかの確認を行った。しかしマウスGVHDモデルの脾臓細胞の輸注の最適化およびPUVA-DCの必要細胞輸注数の最適化が得ることができなかった。 平成27年度には、マウスGVHDモデルにおいて、ドナータイプのPUVA-DCの輸注にてGVHDが抑制される効果を確認する事ができた。しかし、in vitroで確認されたMHC非依存性の抑制性の作用は、in vivoのホストタイプおよびサードパーティーのPUVA-DCの輸注では確認する事が出来なかった。In vitroおよびIn vivoにおいて、実験の相違がなぜ引き起こされた検討する必要性を認めた。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初の計画では予想できなかった、in vitroとin vivoの実験のディスクレパンシーを認めた。予測した実験結果と違った原因に対しての検討が必要となったため、計画がやや遅れる事となった。
|
今後の研究の推進方策 |
ホストタイプおよびサードパーティーのPUVA-DCの輸注がうまく行かなかった原因として、PUVA-DCの必要輸注細胞数がマウスGVHDモデルで異なる可能性があり、再度PUVA-DCの輸注必要細胞数の検討を行う。またそれらの移植したPUVA-DCが、生着しているかどうかの検討を行う。
|
次年度使用額が生じた理由 |
In vitroで得られたデーターとIn vivoで得られたデーターとの間に乖離を認め、その原因検索をする必要性が生じた。そのため、Humanの血液細胞による制御性樹状細胞の作製にとりかかることが出来なかった。
|
次年度使用額の使用計画 |
制御性樹状細胞(PUVA-DC)の輸注細胞数の最適化、マウスGVHDモデルの適正化、Humanの制御性樹状細胞の作製およびその機能評価のための経費に充てる。50万以上の物品の購入はない。
|