研究成果の概要 |
肺動脈性肺高血圧(PAH)患者でBMPR2という遺伝子の異常が見られるがその役割は明らかではない。PAHでは実験的にも、臨床的にも炎症機序の関わりが示唆されている。BMPR2の減少した肺動脈内皮細胞ではGM-CSFを含むサイトカイン産生が亢進し、病変血管での炎症細胞集積に関与し、抗GM-CSF抗体は肺高血圧を改善することを示した。また、ヒトPAHと同様の病変を形成する、新しいPAHモデルの病変部位では、炎症細胞集積、サイトカイン(IL6, MCP1, MMP9, cathepsin-S, ,RANTES)の上昇が確認された。これらから、炎症機序のPAHに対する治療標的としての可能性が示された。
|