母体低栄養(NR)後腎ではDNAメチル化を担うDNA基転移酵素のうちDNMT1が減少しており、全般的DNAメチル化低下の一因と考えられた。また器官培養系でDNAメチル化を抑制すると尿管芽分岐、腎成長が抑制され、葉酸をNRラットに補給すると胎仔の尿管芽分岐、腎サイズ減少、糸球体密度、DNAメチル化低下が改善された。さらに器官培養系で葉酸を含むメチル基ドナー欠乏は尿管芽分岐、腎成長を抑制し、NR後腎を葉酸存在下で培養すると病態が改善された。以上からDNAメチル化は腎発生に必要であり、NR後腎の病態の一因はDNAメチル化低下であると考えられた。また葉酸によるネフロン数減少の予防の可能性が示された。
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