Keap1-Nrf2系は抗酸化防御機構の中心的役割を担っている。Keap1の不活化はNrf2の恒常的活性化とその下流にある抗酸化作用を有する遺伝子群の高発現を来す。以前の検討でKeap1発現が減弱したマウスにおいて水腎症がみられたことから、Keap1ノックアウト(KO)マウスでは腎形態に異常が生ずると予測し検討した。KOマウスは日齢9では低体重だったが、水腎症ではなかった。そこで近位直尿細管特異的Keap1不活化マウスを新たに作製し、32週齢において水腎症や腎嚢胞の出現を期待して観察したが、それらの所見を認めなかった。以上より、Keap1不活化の腎形態形成への影響は否定的と考えた。
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