研究課題/領域番号 |
26461624
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研究機関 | 日本医科大学 |
研究代表者 |
深澤 隆治 日本医科大学, 医学部, 准教授 (80277566)
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研究分担者 |
大橋 隆治 日本医科大学, 医学部, 准教授 (00328783)
小川 俊一 日本医科大学, 医学部, 教授 (50194436)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 川崎病 / CAWS / サイトカインプロファイリング / TNFノックアウトマウス |
研究実績の概要 |
Candida Albicans Water Soluble Fraction (CAWS)血管炎と川崎病血管炎との類似点、相違点を検討した。 CAWS血管炎を組織学的、遺伝子発現プロファイリング、サイトカインプロファイリング、川崎病治療薬による抑制効果について解析を行い、川崎病と比較した。またCAWS血管炎発症にTNFが必須なものかをTNFノックアウトマウスを用いて検証した。CAWS血管炎における組織学的解析では、大動脈基部~冠動脈に強い血管炎を認め、さらに頸動脈の大動脈分岐部、腎動脈分岐部に軽度の血管炎を認めた。川崎病治療薬(免疫グロブリン、TNFa受容体阻害薬、ステロイド、免疫抑制剤)はそれぞれ種々の程度にCAWS血管炎を抑制した。特にTNFa受容体阻害剤によるCAWS血管炎の抑制が著名であった。さらに、TNFノックアウトマウスにおいてCAWS血管炎は惹起されなかった。また、遺伝子発現プロファイリングでは、自然免疫とTNFパスウェイに関する遺伝子の動きが著名で、川崎病初期における遺伝子発現プロファイリングと共通点を認めた。さらに、サイトカインプロファイリングではIL-6を中心とする炎症性サイトカインの上昇を認め、川崎病における結果との類似性を認めた。 以上からCAWS血管炎と川崎病血管炎は若干の組織学的相違点はあるものの類似性は高く、CAWS血管炎を解析することで、川崎病血管炎の発症機序を解明する手がかりがつかめる可能性があると考えられた。またTNFがCAWS血管炎の発症の中心的役割を果たしていることが強く疑われた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
TNFノックアウトマウスにおけるCAWS血管炎作成の確立までに時間がかかったため。 また、TNFノックアウトマウスが予想したようには増えてくれず、実験に供給される頭数の確保に時間がかかったため。
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今後の研究の推進方策 |
CAWS血管炎にはTNFパスウェイが必須であることをVitroで証明する。マウスの脾臓を培養し、CAWSによりTNFが誘導されNFκBが賦活されること、その反応がTNF受容体阻害剤にて抑制されること。またTNFノックアウトマウスではCAWSによるTNFの誘導やNFκBの賦活が起こらないことを確認する。 さらに、自然免疫の代表であるIL-1βの阻害抗体が入手できているため、IL-1β経路の遮断にてCAWS血管炎が阻害されるかどうかを、In vitro とIn vivo両方で観察していく。
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次年度使用額が生じた理由 |
必要な消耗品が4万円程度であるため、次年度に購入することとした。
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次年度使用額の使用計画 |
消耗品購入にあてる
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