研究課題/領域番号 |
26461627
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
北西 龍太 東北大学, 大学病院, 助手 (20436116)
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研究分担者 |
齋藤 昌利 東北大学, 大学病院, 助教 (00451584)
埴田 卓志 東北大学, 大学病院, 助手 (30400360)
松田 直 東北大学, 大学病院, 准教授 (50361100)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | コーチゾル分泌能 / ACTH / ポンプレス人工胎盤システム / ヒツジ胎仔 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は,胎盤から切り離されるストレスによって,成育限界期のヒツジ胎仔のコーチゾル分泌能とその循環動態が受ける影響を明らかにすることである.そのため今年度われわれは成育限界期である妊娠91-97日(ヒトの妊娠24-27週に相当)のヒツジ胎仔12頭を用いた慢性実験系を作成した.ヒツジ胎仔の出生前後に胎仔の心拍数,動脈圧,中心静脈圧,羊水内圧を連続監視しながらCRH負荷試験を行い,そのコーチゾル分泌能の経時的変化の解析を行った.また,同時にACTHの血中濃度測定用の検体も採取した.さらに12頭のうち5頭は出生前の炎症性ストレスが胎仔のコーチゾル分泌能に与える影響を解析するために,出生前にgranulocyte-colony stimulating factorの静注とendotoxinの羊水内注入を行い,子宮内炎症を惹起した.成育限界期のヒツジ胎仔の肺は著しく未熟であり,人工呼吸器では管理できないため,本研究では全てのヒツジ胎仔で出生後にわれわれが新規に開発したポンプレス人工胎盤システムを装着して行った. 慢性実験を行った12頭のヒツジ胎仔の内,11頭で出生前のCRH負荷試験に成功した.そのうち2頭は未熟性が非常に強く延命が困難だったため,出生後のCRH負荷試験を施行できず,9頭から出生前後でのコーチゾル分泌能の経時的変化を解析する検体を採取できた.そのうち子宮内炎症を惹起させたのは5頭だった.今後採取した検体からコーチゾルとACTHの血中濃度を測定し,胎仔のコーチゾル分泌能の経時的変化を解析する予定である.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
慢性実験を行った12頭のヒツジ胎仔の内,11頭で出生前のCRH負荷試験に成功した.そのうち2頭は延命が困難だったため,出生後のCRH負荷試験を施行できず,9頭から出生前後でのコーチゾル分泌能の経時的変化を解析する検体を採取できた.そのうち子宮内炎症を惹起させたのは5頭だった.成育限界期のヒツジ胎仔は未熟性が非常に強く,高度な循環管理を要する.そのような状況下で9頭のヒツジ胎仔から検体が採取できたため,本研究は順調に進展していると思われる.
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今後の研究の推進方策 |
今後は採取した検体からコーチゾルとACTHの血中濃度を測定し,胎仔のコーチゾル分泌能の経時的変化を解析するとともに,成育限界期のヒツジ胎仔を用いた慢性実験を継続し,検体数を増やしていく方針である.また,申請書には記載されていないが,ヒツジ胎仔の剖検で得られた副腎を用いて免疫染色を行い,コーチゾル分泌能とコーチゾル分泌能をもつ胎仔副腎の成人層の組織学的所見との対比を行い,コーチゾル分泌能の変化が組織学的にどのような変化でもたらされるのか解析する予定である.
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