本研究では、周産期脳障害に対して脱分化脂肪細胞を用いた治療法開発への基礎研究を行った。新生児低酸素性虚血性脳障害モデル作製24時間後に、DFAT細胞10万個/匹を静脈内に投与した。免疫組織学的検討では、active caspase-3、ED-1、4-HNEの陽性細胞数が有意に低下した。行動試験では、回転棒試験とシリンダー試験にてDFAT治療により改善傾向を認めた。 培養皮質神経細胞を用いた検討では、酸素糖欠乏による細胞死に対するDFAT条件培地(DFAT-CM)の保護効果を認めた。また、DFAT-CM中には、各種神経栄養因子が検出され、DFATを投与したモデルラット患側脳内では高値となった。
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