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2014 年度 実施状況報告書

プロテオミクスを用いたHirschsprung病の新規診断マーカーの探索

研究課題

研究課題/領域番号 26461631
研究機関三重大学

研究代表者

井上 幹大  三重大学, 医学部附属病院, 助教 (30422835)

研究分担者 内田 恵一  三重大学, 医学部附属病院, 准教授 (30293781)
大竹 耕平  三重大学, 医学部, 助教 (40378344)
研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2017-03-31
キーワードヒルシュスプルング病 / プロテオミクス
研究実績の概要

本研究はHirschsprung病のホルマリン固定パラフィン包埋された結腸組織を用い,さらに2D gelを用いないProteomicsによる解析を行い,新規バイオマーカーを検討するものである。現在,マニュアルマイクロダイセクションの技法によりHirschsprung病の病変部の粘膜組織と対照となる正常結腸粘膜組織を用い,タンパク質を抽出することに成功した。それぞれのサンプルのタンパク質濃度を測定し,Proteomics解析が可能な十分量のタンパク質が抽出できたことを確認した。各サンプルのタンパク質の量が限られるため,ラベル化して解析を行うiTRAQの技法によりProteomicsによる解析を行うこととした。それぞれのサンプルからタンパク質を100μgとり,ペプチド消化を行った。消化ペプチド溶液にiTRAQ試薬によるラベル化を行い,精製,Fractionationを行い,Mass spectrometryでの解析とタンパク質の解析を行い,Hirschsprung病の病変部の粘膜組織と対照となる正常結腸粘膜組織,各1サンプルずつで合わせて合計198種類のタンパク質を同定することに成功した。さらにHirschsprung病の病変部の粘膜組織と対照となる正常結腸粘膜組織の合計5つのペアでiTRAQの技法によるProteomicsを行い,新規バイオマーカー候補のスクリーニングを行う。新規バイオマーカー候補は免疫染色,血清でのELISAにより,診断マーカーとなるか検討を進める予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

Proteomicsの解析器の故障などで一時、研究が滞った時期もあったが、ほぼ当初の予定通り順調に伸展している。

今後の研究の推進方策

今後,さらにHirschsprung病の病変部の粘膜組織と対照となる正常結腸粘膜組織の合計5つのペアでiTRAQの技法によるProteomicsを行い,新規バイオマーカー候補のスクリーニングを行う。新規バイオマーカー候補は免疫染色,血清でのELISAにより,診断マーカーとなるか検討を進める予定である。また,Hirschsprung病の10%の患児にダウン症が認められることから,ダウン症を伴うHirschsprung病の病変部の粘膜組織を用い,iTRAQの技法によるProteomicsを行うことで,病変部の粘膜組織に発現しているタンパク質に差があるのか,ダウン症を伴わないHirschsprung病のバイオマーカー候補と同じタンパク質がバイオマーカー候補となるかも検討を進める予定である。繰り返しになるが,今後の流れとしては,①iTRAQの技法によるProteomicsによる新規バイオマーカー候補のスクリーニングを進める,②ダウン症を伴うHirschsprung病の病変部の粘膜組織を用い,iTRAQの技法によるProteomicsを行う,③新規バイオマーカーの免疫染色での検証(結腸組織サンプル)を行う,④Hirschsprung病患児群,Hirschsprung病のない対照群の血液サンプルでのELIZA法での検証となる。これらを行うことで,本症の簡便かつ早期の診断が可能にとなると考えられる。

次年度使用額が生じた理由

今年度は論文別刷り料及び英文校正代が計画していたよりも低くおさえられたため次年度使用額が生じた。

次年度使用額の使用計画

実験が完了していないため、物品費の一部として使用する予定。

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公開日: 2016-05-27  

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