現在、ヒルシュスプルング病(HD)の確定診断には直腸粘膜生検と生検組織のアセチルコリンエステラーゼ染色が行われているが、児への侵襲が大きく定量的な診断ができないという問題がある。そこで、非侵襲的で診断率の高い新規診断マーカーを同定するため、HD症例4例の無神経節大腸粘膜と神経節の存在する同じHD症例の正常大腸粘膜及びコントロールとして用いた鎖肛症例4例の正常大腸粘膜を用いて、タンパク質の網羅的解析を行った。その結果、計197種類のタンパク質を検出した。この中で、HD無神経節大腸粘膜において有意にup-regulateされているタンパク質は17種類だった。
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