研究課題/領域番号 |
26461635
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研究機関 | 香川大学 |
研究代表者 |
鈴木 辰吾 香川大学, 医学部, 助教 (50451430)
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研究分担者 |
三木 崇範 香川大学, 医学部, 教授 (30274294)
太田 健一 香川大学, 医学部, 助教 (50403720)
割田 克彦 鳥取大学, 農学部, 准教授 (40452669)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 脳由来神経栄養因子 / 脂質 / 脂肪酸 / コレステロール |
研究実績の概要 |
前年度までの研究により、脳由来神経栄養因子(BDNF)が脳の脂質ホメオスタシスに加えて、肝臓における脂質ホメオスタシスに影響することを突きとめた。本年度では、まず第一に、サンプル数を増やし、肝臓における脂質量の変化を更に詳しく解析した。その結果、ある特定の脂肪酸に対しての不飽和化が促進されていること、さらにコレステロール自体の量に変動はないものの、コレステロール前駆体やコレステロール酸化物の量が有意に低下していることが明らかとなった。第二に、脳のBDNFが肝臓に働きかけるメカニズムの探索を行った。その結果、脳由来神経栄養因子が、視床下部-下垂体-副腎系(HPA系)の修飾に関与すると考えられる蛋白質の合成を強く誘導することが初代培養神経細胞において確認された。副腎皮質ホルモンは肝臓における脂質代謝に強く影響を与えるため、BDNFがこの因子の発現誘導を介して、HPA系に働き、さらに肝臓の脂質ホメオスタシスに関与する可能性が考えられた。しかし、この因子が実際にHPA系の修飾に関わること等は未確認であるため、今後はHPA系においてBDNFが実際に同定したHPA系修飾因子の発現誘導を介する可能性を検証し、実際に肝臓の脂質ホメオスタシスの修飾に関わることを確かめる必要があると考えられた。
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