脂肪酸をはじめとする栄養素の摂取量低下が神経回路の形成障害を引き起こし、精神疾患などの発病脆弱性に関与する可能性が示唆されている。しかしながら、新生児期における脳の脂肪酸ホメオスタシスは十分に明らかになっていない。そこで、本研究では、発達過程の脳における脂質ホメオスタシスへの影響の解明を試みた。その結果、①新生児期の脳において飽和脂肪酸は積極的に不飽和化していること、②BDNFが肝臓のSCD-1の活性に関与し、全身の脂肪酸のホメオスタシスに関与しうること、③BDNFがHPA系の修飾に関与する蛋白質の発現誘導に強くかかわることが見出された。
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