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2017 年度 実績報告書

低酸素性虚血性脳症に対する新規トロンボモジュリンによる脳保護作用の解明

研究課題

研究課題/領域番号 26461640
研究機関奈良県立医科大学

研究代表者

高橋 幸博  奈良県立医科大学, 医学部, 研究員 (60142379)

研究分担者 西久保 敏也  奈良県立医科大学, 医学部, 病院教授 (20208169)
研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2018-03-31
キーワード低酸素性虚血性脳症 / トロンボモジュリン / 脳保護効果 / HMGB-1 / TNFα / IL-1β / IL-6
研究実績の概要

遺伝子組換えトロンボモジュリン(rTM)の脳保護効果を、中大脳動脈閉塞(MACO)ラットモデルを用いて研究した。MACO後30分にrTMを単回投与し、6時間後に梗塞部位をTTC染色で評価した。梗塞部位は対照群(生理食塩水)と比較して有意に縮小していた(既報告)。さらに、MACO後30分にrTMを単回投与し、24時間後に神経筋機能と梗塞部位を評価した。rTM投与群は対照群と比較し梗塞部位は縮小していたが、24時間後ではrTM投与群と対照群との間で有意な差はなかった。しかし、脳容積はrTM投与群で対照群と比較し有意に減少し、神経筋機能評価も有意に改善していた。MACOは脳梗塞部位で不可逆的な進行が予測される。rTM投与群で脳容積の減少と神経筋機能の改善が得られたことから脳傷害の進行の抑制効果を有すると考えられる。そこで、rTMの追加投与を検討した。MACO後30分と6時間の2回投与を行った。しかし、rTMの単回投与で見られた有意な改善効果はなかった。脳病理および予後から、水分負荷の影響も考慮された。rTMの作用機序を明らかにするために免疫染色法を用い病理検検査と血中HMGB-1、TNFα、IL-1β、IL-6の測定を行った。脳病理検査はTUNEL染色、GRAF染色に加え、TNFα、IL-1βを免疫染色した。梗塞部位はTUNEL染色が陽性で、GRAF染色は対側に比して増強し、TNFαおよびIL-1βは陰性対照と比較し陽性を示した。また、血中HMGB-1は、MACO後は高値であったが24時間後には低下していた。血中TNFα、IL-1β、IL-6についても検討したが、MACO後24時間ではrTM投与群と対照群との間に差異はなかった。脳病理検査から病態にアポトーシスに加え炎症の関与が示唆された。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2017

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件) 図書 (2件)

  • [雑誌論文] 新生児仮死および感染症に起因した新生児DIC症例の凝固線溶系検査所見と予後の関連2017

    • 著者名/発表者名
      1.川口千晴, 西久保 敏也, 白幡 聡, 高橋 幸博
    • 雑誌名

      日本本産婦人科・新生児血液学会誌

      巻: 26 ページ: 53-59

    • DOI

      0916-8796

    • 査読あり
  • [学会発表] 新生児仮死 、低酸素血症と播種性血管内凝固(DIC) リコンビナント・トロンボモジュリン療法2017

    • 著者名/発表者名
      川口 千晴, 中島由翔, 友松 典子, 岩井 加奈, 西本 瑛里, 利根川 仁, 中川 隆志, 釜本 智之, 内田 優美子, 西久保 敏也, 新居 育世, 嶋 緑倫
    • 学会等名
      第27回 日本産婦人科・新生児血液学会学術集会
  • [学会発表] 新生児仮死あるいは低酸素性虚血性脳症に伴う新生児DICの予後と入院時の止血検査2017

    • 著者名/発表者名
      高橋幸博、西久保敏也、内田優美子、林 環、釜本智之、中川隆志、利根川仁、西本瑛里、谷 有貴、川口千晴
    • 学会等名
      第120回 日本小児科学会学術集会
  • [図書] 重症患者における炎症と凝固・線溶系反応―新生児ー2017

    • 著者名/発表者名
      高橋幸博、川口千晴
    • 総ページ数
      205-219
    • 出版者
      中山書店
    • ISBN
      978-4-521-74333-2
  • [図書] 産婦人科・新生児領域のけつえき疾患診療の手引き2017

    • 著者名/発表者名
      白幡 聡、高橋幸博
    • 総ページ数
      109-116
    • 出版者
      Medical View
    • ISBN
      978-4-7583-1747-4

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公開日: 2018-12-17  

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