重症新生児仮死は低酸素性虚血性脳症(HIE)を惹起し、重度の脳障害や生命予後に影響する疾患である。一方、重度新生児仮死では播種性血管内凝固(DIC)を発症する。重症新生児仮死に合併した新生児DICに対して遺伝子組換えトロンボモジュリン(rTM)を用い治療を行ってきたが、DICの改善効果に加え、顕著にHIEの改善効果を観察した。本研究はrTMの脳神経保護効果をラットを用いた中大脳動脈閉塞(MACO)モデルで検証した。その結果、rTMはDICの効果のみならず脳神経保護を有すると考えられた。また病態に、炎症の関与が示唆された。しかし本研究は実験数の限りからさらなる検証が必要と考える。
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