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2014 年度 実施状況報告書

常位胎盤早期剥離の出生前診断に向けた胎盤組織のマイクロアレイ・SNP解析の応用

研究課題

研究課題/領域番号 26461647
研究機関東京女子医科大学

研究代表者

小川 正樹  東京女子医科大学, 医学部, 准教授 (50312707)

研究分担者 松井 英雄  東京女子医科大学, 医学部, 教授 (70190395)
研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2017-03-31
キーワード常位胎盤早期剥離 / メチル化 / MMP-1
研究実績の概要

常位胎盤早期剥離は、遺伝学的要因と環境要因の双方が共同して発症に関わることが知られている。臨床的に本症は、周産期死亡の主要な原因を占め、母児ともに重篤な状態を来すことから、周産期医学上の解決すべき喫緊の課題の一つである。疫学的な検討により本症は、早期に診断し早期の介入を行う事で、児のintact survivalが得られることが判明している。したがって、リスク因子を有する患者を適切な管理下に置き、早期介入を図ることが得策である。本研究は、本症発症のリスク因子を、遺伝学的およびエピジェネティック因子にもとめ明らかにしようとするものである。
前記の目的を達成するため、1)常位胎盤早期剥離症例の胎盤を用いて、絨毛の候補遺伝子のSNPマイクロアレイを行うこと、2)コラーゲン分解酵素遺伝子のpromoter領域CpG部位のメチル化程度を解析すること、3)同遺伝子promoter領域における特異的SNPアレルの型分類解析を行うこと、を通じて、遺伝学的およびエピジェネティック的要因を明らかにするものである。
本年度は、常位胎盤早期剥離を来した10症例より胎盤組織を収集した。またコントロール胎盤として、早産に至った症例、正期産で出産した症例など約200症例より胎盤を収集した。本年度は、MMP-1遺伝子を主に検討した。1)特定領域の詳細分析としては、収集した胎盤組織の絨毛組織より抽出したDNAを用いてMMP-1遺伝子promoter領域の-1299CpG部位および-930CpG部位のメチル化をCOBRA変法による解析した。結果、分娩週数をマッチさせた集団群では、各部位のメチル化率に有意差は認められなかった。2)ゲノムワイドな網羅的解析も並行して行った。すなわち疾患群5例における週数をマッチさせたコントロール群5例のDNAにおいてビーズアレイ解析を行った。結果、2群間でメチル化率に有意な差を認める遺伝子は同定されなかった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

検体収集が予想以上に早期に達成されたことより、順調に経過している。

今後の研究の推進方策

今回設定した疾患群および対照群では、遺伝子のメチル化率には2群間で有意差は認められなかった。しかし、週数をマッチさせた場合対照群は、切迫早産が疾患原因とされることが多くなり、結果として遺伝子メチル化率に差を認めなかった可能性がある。今後は、正期産群を対照例として設定しなおすことが必要と考えられる。また、ゲノムワイドなSNP解析の必要性が高いことが指摘されていることより、今後は、それに向けた検討を行う予定である。

次年度使用額が生じた理由

マイクロアレイ解析の費用が次年度扱いとなったことにより差が生じたものです。また発表は、学会が東京近郊で行われたことから旅費の発生はありませんでした。

次年度使用額の使用計画

前年度発注分を支払いとし、次年度分は通常使用とする予定です

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2015

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 常位胎盤早期剥離絨毛におけるmatrix metalloproteinase-1遺伝子CpGメチル化率に関する検討2015

    • 著者名/発表者名
      金野潤
    • 学会等名
      日本産科婦人科学会
    • 発表場所
      パシフィコ横浜(神奈川県・横浜市)
    • 年月日
      2015-04-12 – 2015-04-12

URL: 

公開日: 2016-05-27  

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