研究課題
① MFG-E8と成長因子(bFGFやPDGF)の併用による創傷治癒の促進効果を明らかにする。糖尿病マウスを用いて、創傷治癒を比較したところ、MFG-E8の外用や注射によって、糖尿病性難治性潰瘍の創傷治癒が促進した。また、成長因子であるbFGFでも著明に創傷治癒が促進した。さらに、MFG-E8とbFGFの併用によって相加効果が得られた。血管量も増加した。その他の機序についても明らかにしつつある。② 間葉系幹細胞の腫瘍血管新生能におけるMFG-E8の役割、その機序を明らかにする。間葉系幹細胞は悪性黒色腫の成長を促進させたことと、MFG-E8 WTマウス由来間葉系幹細胞を混ぜた腫瘍は、MFG-E8 KOマウス由来間葉系幹細胞を混ぜた腫瘍と比べて腫瘍の成長が促進することを明らかにした。また、組織学的に血管量の亢進もみられた。M2マクロファージの浸潤も増加した。また、間葉系幹細胞のMFG-E8が、in vitroでM2マクロファージへの分化を誘導することも明らかにした。これら結果より、間葉系幹細胞による悪性黒色腫の血管新生促進効果においてMFG-E8が役割を担っていることが示唆された。これらの成果をCancer Research誌に報告した。③ in vivoモデルを用いてMFG-E8による線維化の制御、役割を明らかにする。MFG-E8 WT/KOマウスを用いてブレオマイシン誘導皮膚線維化について比較検討し、MFG-E8 KOマウスでは線維化が亢進していた。浸潤する細胞数の増加もみられた。現在は、その機序について検討を重ねている。
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Cancer Research
巻: 76 ページ: 4283-92
10.1158/0008-5472.CAN-15-2812.
http://www.gunma-u.ac.jp/information/16246