PPARαの合成リガンドは、培養表皮角化細胞の単層培養系と重層培養系において、アレルギー性炎症に関与するTARCとRANTESの発現を低下させ、分化関連分子であるフィラグリンの発現と、抗菌ペプチドであるLL-37とHBD3の発現を増強した。一方、PPARβ/δとPPARγの合成リガンドの単層培養系を用いた検討では、TARCとRANTESの発現低下作用とLL-37とHBD3の発現増強作用を認めたが、フィラグリンの発現を低下させた。これらの結果は、アトピー性皮膚炎で認めるPPARα低下は、アレルギー性炎症と皮膚バリア機能低下の両者に直接関与し、両者を直接制御する治療標的となり得ることを示唆する。
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