研究課題/領域番号 |
26461664
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研究機関 | 大阪市立大学 |
研究代表者 |
鶴田 大輔 大阪市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (90382043)
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研究分担者 |
小澤 俊幸 大阪市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (50570602)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | ヘミデスモゾーム / フォーカルコンタクト |
研究実績の概要 |
類天疱瘡抗原BP180がBP-IgG投与により内包化されたあとの水疱維持および水疱治癒機構を調べるために、BP-IgG結合にともなうBP180エンドサイトーシスへのフォーカルコンタクト蛋白の大小機構を解明することとした。GFP-BP180は以前に我々が報告したものを用いた(Hiroyasu 2013)。PmKate2-Zyxinはカセット購入した。これらの遺伝子導入条件を検討し、安定して遺伝子導入できることを認めた。この両者を遺伝子導入したHaCaT細胞での蛋白動態を解析した。結果として、定常状態で、BP180, Zyxinは予想通り、相互にめだった相互作用をおこすことなくランダムに運動を行っていた。BP180の分布は予想通り、基底面にそって一様にCat-Paw Patternであり、一方、Zyxinは、楕円形の形態を取り、細胞辺縁を中心に分布していた。定常状態で、HaCaT細胞は一部で分裂形態を示した。これまで、Live cell imagingで細胞分裂する際のヘミデスモゾーム蛋白とフォーカルコンタクト蛋白を同時に観察した結果は今まで報告されていないので、これに今年度は専念した。結果として、一部で、新生フォーカルコンタクトが成熟するときにヘミデスモゾーム蛋白が出現することを確認できた。BP-IgGの精製も今年度行うことができたので、これを4月中に投与してダイナミクスを検討することとしている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
3つの大項目は1)BP-IgG結合に伴うBP180エンドサイトーシスへのフォーカルコンタクト蛋白の代償機構の解明、2)BP-IgG結合により生じる水疱部での水疱維持機構の解明、3)治療に伴うBP-IgG減少により生じるびらん治癒機構の解明となっている。これまでに1)は概ね達成できており、順調であると考える。ただし、今後(2),(3)達成に向けての障害になる可能性がある事象として、自己抗体消失をin vitroで再現する(3)の場面があると考えられる。当初の予定では(2)を平成27年度、(3)を平成28年度で予定しているが、この障害になり得る部分を平成27年度に一部前倒して予備実験を行う予定も考えている。
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今後の研究の推進方策 |
これまでに述べたように、概ね順調に推移している。障害となる可能性のある部分も平成27年度に前倒して施行する予定である。報告できそうな課題が達成できれば逐次論文作成と学会発表を行い、その分野の国内外の権威とDiscussionを行い、ブラッシュアップを行っていく予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
当初の予定ではBP-IgG投与後のエンドサイトーシスを観察する段階まで進める予定であったが、これのみが実現できなかったため、しかしながら、現時点(4月下旬)ですでにこの予算を使用してエンドサイトーシスの観察の段階まで進んでいる。
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次年度使用額の使用計画 |
BP-IgGの精製実験。投与実験。これらに必要なカラム、細胞、培地の購入に使用する。
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